(CNN) 米国防総省高官は19日、アフガニスタンで治安維持に当たる国際治安支援部隊(ISAF)の活動に不可欠なパキスタン内の補給ルートの再開で同国政府が過大な使用料を要求し、交渉が決裂したことを明らかにした。
パキスタンはトラック1台当たり5000米ドル(約39万5000円)と従来の使用料と比べ法外な金額を要求し、米側が拒否している。
米政府高官によると、両国は米シカゴで20日から始まるNATO首脳会議の前に補給路再開での合意を目指していたが、ほぼ不可能となった。パキスタンのザルダリ大統領も同首脳会議に招待されているが、合意が遠のいたことからシカゴでのオバマ大統領との首脳会談も棚上げの方向となっている。
ただ、アフガンのカルザイ大統領を交えた3氏の合同首脳会談が実現する可能性はある。NATO首脳会議ではISAFの撤退戦略を受けたアフガンへの今後の対応策が主要議題となる。アフガン和平の実現では反政府武装勢力タリバーンの取り込みが最大の課題で、タリバーンとのパイプを持つとされるパキスタンの協力が不可欠となっている。ISAFはNATO主導となっている。
国防総省高官は補給ルートの早期の再開を期待するとしながらも不当な要求には応じないと指摘。パネッタ米国防長官も最近、米紙との会見で財政上の制約を考慮すればパキスタンの要求に応じるわけにはいかないと述べていた。
この補給路はパキスタン南部のカラチ港から同国西部の部族地域を通りアフガンにつながっている。パキスタンは昨年11月、米軍が同国内で起こした誤爆で兵士数十人が死亡したことに反発して補給路を閉鎖し、ISAFはロシアを含めたアフガン北部の近隣国を経由する代替ルートの確保に追われていた。ただ、パキスタン通過のルートに比べ距離が長いなどの難点がある。
パキスタンは18日、アフガンの米大使館向け物資などを積んだトラック4台の補給路使用を閉鎖後、初めて認めていた。
ISAFは2014年までに治安権限をアフガン側に全面移譲する撤退戦略を具体化させている。パキスタン内の補給路は撤退に伴う大型の装備品移送などで重要視されている。
